全3幕
キャピュレット公:ローランド・ダレシオ
キャピュレット夫人:メリンダ・ウィザム
ジュリエット:アリシア・アマトリアン
ティボルト:イエイ・イェリネク
パリス:ニコライ・ゴドノフ
乳母:ルドミラ・ボガード
モンタギュー公:ディミトリー・マジトフ
モンタギュー夫人:クリスティーナ・パザール
ロミオ:フリーデマン・フォーゲル
マキューシオ:アレクサンドル・ザイチェフ
ベンヴォーリオ:フィリップ・バランキエヴィッチ
ヴェローナ大公、僧ローレンス:アレクサンドル・マカシン
ロザリンド:サラ・グレザー
ジプシー:エリサ・カリッロ・カブレラ、オイハーン・ヘレッロ、カーチャ・ヴュンシェ
カーニバルダンサー:ローランド・ハヴリカ、ラウラ・オーマレイ、ミハイル・ソロヴィエフ
カタリーナ・コジィルスカ、トーマス・ダンエル
指揮:ジェームズ・タグル
演奏:関西フィルハーモニー管弦楽団
私にとって、ロミオとジュリエット全幕を生で見るのは初めて。
ビデオではミラノ・スカラ座のマクミラン版、パリ・オペラ座のヌレエフ版を見ているが
クランコ版は全く初めて。とにかく、念願のロミジュリなので楽しみにしていた。
席は、遠めでダンサーの表情は肉眼では見えない。美しいお顔なのに残念。
幕が開くと、マントを翻しロミオ登場!美しいロミオ。まさにロミオのイメージどおり。期待が…。
舞台セットが絵画のようで、華美でないがきれい。
のっけから、ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオのすごい見せ場。これはすごい。
こんなに男性ダンサーの見せ場の多いのって初めてです。若さいっぱい!!楽しいよー。
何度も廻るうちフォーゲル君は少し着地で傾いたりするが、おおむねみんな揃っていて
すごいジャンプを見せてくれる。おどけたようなダンスなどで、明るくて仲のいい若者たちだなとわかる。三人とも顔もスタイルも美しいので大満足。
にこにこのモンタギュー家と対照的なキャピュレット家。ティボルトのイェリネクは、すごい存在感。
いかにもティボルトの風貌で、すぐに彼がティボルトだとわかる。大勢の中にいても、
立っているだけでつい目を奪われてしまう。
ジュリエットはとてもかわいらしい。無邪気な女の子。こちらもまさにジュリエット。
とってもきれいな踊り。婚約者のパリスは、いい人っぽい。ロミオが現れなかったら
ジュリエットは彼と結婚して、大事に愛されて幸せになったんだろうなーと思えて、哀しい。
ロミオとジュリエットの最初のパドドゥ、とっても美しい二人でうっとり。
フォーゲル君とってもロマンチックな香り漂う踊り。ジュリエットへの愛しい気持ちが伝わる。
上半身の反らし方がとっても美しい。今日のレッスンでちょうど、上半身を反らせるときは
もっと反らして!といわれるとつい腰から反らせるけど、胸から上を反らせるて手をながーくね、
と注意されていたので、ああこれがお手本ね!と納得。それと、いつもつま先をもっともっと早く
伸ばすことを注意されるので、ついつい皆さんのつま先に眼が行く。わかっているけど中々…。
話は戻って、噂の階段のないバルコニー。ジュリエットをやさしく下ろしてくれるロミオ。
最後はまた噂のぶらさがりキス。フォーゲル君2回けんすいでキス。このロミオは色々体を
はった場面があるが、安心して見ていられた。若いから。
話は進んで、いきなり結婚式。この時のロミオ、無邪気にはしゃいだ様子がかわいい。思わず
笑っちゃった。長い裾も問題なくさばいてました。ロミオ君。
次の広場でのシーン。ロミオはずっと、あさっての方向を見て、ぽーっとしてのぼせあがってる。
ティボルトに挑発されても、ここでは愛する妻のいとこだから闘わないぞ!という男気を見せる。
そしてマキューシオの死。マキューシオしぶとすぎ。時代劇の中々死なない斬られ役みたい。
でも、これでマキューシオの死の悲壮感、ロミオが爆発する理由を分からせる。
ティボルトはマキューシオに比べてあっさり死んだ。もっと粘ってほしかった。もっとイェリネクの演技見たかった。でも死に際もいさぎよくてかっこよかった。ティボルトがキャピュレット夫人の愛人だったとはわからなかった。甥っ子のはずでは…。
哀しい哀しいラストへ。ジュリエットの死体が地上からいつのまに地下の墓室へ入ったのか
わからず??まさかエレベーターだったとは。
いつも思うのは、僧さんがジュリエットのお墓で待っていてくれればこんなことにならないのにー
ってこと。やっぱり泣いてしまうこのラスト。あっというまに終わった感じの第3幕でした。
日本公演ラストをこの大阪でって気の毒な気がした。客席の入りもちょっと寂しかったし。
でも、ダンサーの皆さんは手を抜くことなくすばらしいパフォーマンスを見せてくれました。
最後に、天井からキラキラテープと紙ふぶきと「大成功おめでとう!SAYONARA」の垂れ幕。
よかった。最後には、芸術監督さんはじめ、アンダーと思われる私服のダンサー、スタッフと
多分大阪に来ていた全員が舞台に上がって拍手を受けていた。
場面転換が全てスムーズで、間延びすることなくとてもうまくできているなーと思った。
ストーリー展開も人物のコスチュームで人間関係がわかりやすくてよかった。
若さゆえの性急さ、疾走感というのがとてもよく出ていて、なぜこの二人はこんなに急いだ
のか?と疑問に思う隙もなかった。この疾走感がこの舞台の命だと思う。若いダンサーを
揃えているこのバレエ団ならではの作品になっていたと思った。
全体にきらきらした若さいっぱいで、それゆえラストの悲劇性が高まるというところ。
ロイヤルとはまた違うよさがあって、こちらもよかったなー。
ダンサーがみんなスタイルも顔もきれい。最後の締めはこれかい(笑い)すみません。
11/15(火)
大阪フェスティバルホール
「ロミオとジュリエット」
シュツットガルトバレエ団
ジョン・クランコ振付
開演18時半/終演21時15分頃
座席/A席1階HH列R30番台(14000円)
kyonのバレエ観劇記
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