「レクイエム」 ファルフ・ルジマトフ

いやーすごかった!美しかった!圧倒された!感動した!
笠井叡さんの作品は初めてだったし、難しそうな印象だったのでちょっと不安だったがそんなものすぐに忘れて引き込まれてしまった。
上半身裸で黒のパンツで、「ルジのすべて」で見た「タンゴ」と同じ様ないでたちだが全く別人のルジ様。
ピンスポットに照らされて浮かび上がるルジさんの体の美しいこと。この美しさからか、なんなのかわからないが息ができなくなる。途中までほんとに息が苦しかった。
この作品の初演時、ルジさんは自分でも自信がなく本当に悩んだと書いてあったが、理由はわからないけれど、見終わった瞬間、今回ルジさんは笠井先生の表現したかった世界を見事に表現したに違いない!と確信してしまった。この作品が、何を表現しようとしているのかとか、頭で、言葉に表すことはできないし、理解できなかったとは思うが、確かに何かを感じた。心の奥のほうとか体で感じたようなそんな不思議な気分を味わった。見ていて苦しかったが、だんだん明るい光がさしてきて、最後には希望を感じてほっとしたような…。すーっと体が楽になったような…。何かから開放されたような…。
これが「レクイエム(鎮魂)」か。でも、それよりも何よりも一番感じたのは「美!」であったような…。後から思い出すのは「美」の一言。ルジさまの体は何より見た目から文句なく美しい。でも、その見た目の美しさにもっと大きな内面からにじみ出る「美しさ」を感じた。いろんな、説明をつけるよりこの「美」を表現したかったのでは?とさえ思えてきた。
この時、舞台のルジ様を見ながら心に浮かんだ言葉たち、「彫刻、動く彫刻…」「神様、キリスト」「ルジ様ってキリストの生まれ変わりかも」「美しすぎてもう…」「背筋がぞくぞくする」「鳥肌たつ」こんな感じのことがぐるぐると廻っていた。

この舞台を見る数日前に我が家で講読している地方新聞の各界の著名人が好きな映画について語る連載にタイムリーなことに笠井叡さんが好きな映画について語っていた。短い文だけれどなかなか興味深く読みましたので是非読んでみて下さい。
 神戸新聞へ
この最後の一文を読んで、私の感じたこともそんなに的外れではないのかなーと思った。笠井さんはとても、包容力のある大きな人間なのだなーと思った。全ての人が感じたことを受け入れてくれそうに思う。そんな人だから、ルジ様は「笠井先生」と大きな尊敬を向けるのだろう。

なんだか今思い出しても胸が熱くなってきた。この日、ルジさんがそれまでの白パンツから黒パンツに変えたのは何故なのだろう?


「ドン・キ・ホーテ」グラン・パ・ドドゥ

1部のラストで全てを出し尽くし、放心状態のように見えたルジ様だったので、時間が空いたとはいえバジルをやれるのか?と心配していたがそんな心配は、いらなかったようだ。「元気ハツラツー?すっげーハツラツ」とばかりに元気一杯のめちゃくちゃおっとこまえー!!なバジルで締めてくれました。
もう、すごすぎです。ルジ様。一生あなたについていきます。
シェスタコワとの最強ラブラブコンビだったので、ルジ様も心から楽しんで踊っていたようで見ているこちらも楽しくてうきうきした。体調をこわしながらも何とか乗り越えたレニ国との日本公演。温かく応援してくれた日本のファンのみんなにありがとう!!と言ってくれているようだった。そして、自分自身でもこの日本公演を楽しんだよー。自分の最後の力をふりしぼって最高に楽しんで踊るよーと、聞こえてくるようなバジルでした。本当に、見ていてニッコニコの笑顔になったし、幸せな気持ちにさせてくれました。あまりのかっこよさに小さく「きゃー」と声がもれてしまいましたよ。一番ステキだったのはキトリの見せ場のグランフュッテのとき、舞台の端でキトリのほうを向いて立ち(客席に背中を向けて)左手を上にさっと揚げキトリにむけるという美しいポーズでキトリを見守る後姿。私の目の前でそんな姿を見せてくれるものだからシェスタコワのグランフュッテをほとんど見られませんでした。あの角度がたまりませんでした。まさに、眼福でした。
大物ガラ公演のラストにふさわしいものでした。

カーテンコールでのつぼ
カーテンコールで舞台上に皆が並んでたっているとき、他の男性ダンサーは足のポジションはたいてい4番の感じだったがルジ様は、女性ダンサーのように、左足を後ろにポワントで美しく流していた。それだけでもとっても美しかった。
いつでもどんな時でも美しい。しかし、ルジ様のあの美しい足の甲は何なんだろう。どうすればあんなに美しく足の甲が出るのか。まるで、トゥシューズを履いているよう。トゥシューズをはかないであの甲が出るなんてすごい。
プリセツカヤさんになにやら声をかけられて、微笑むルジ様。考えてみるとルジ様はプリセツカヤの丁度半分くらいの年令。プリセツカヤさんにかかれば、ルジさんも坊やなのかなーなどと考えるとちょっと笑ってしまう。

本当にみなさんありがとう。


「バレエの美神」
2006/2/5(日)NHKホール


直線上に配置

kyonのバレエ観劇記

















































































トップ アイコントップページへもどる
直線上に配置
直線上に配置

その 2

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送